
トラウマ体験の変容が進むとき、過敏で硬直的だった神経系の反応は、次第に適切な自己調整能力を回復あるいは新たに獲得し始めます。外我による外的世界の体験と内我による内的世界の体験とのあいだに、柔軟で持続可能な対話軸が形成されることで、「自己」と「世界」との出あいの一致がより頻繁に、かつ自然に経験されるようになります。このような一致体験は、ホロニカル心理学において「ホロニカル体験」と呼ばれるものであり、境界のないつながり感と存在の統合感を伴います。
ホロニカル体験の増加は、「自己」と「世界」とのあいだの出あいにおける「不一致」と「一致」の往還的なプロセスを経て、より深いレベルでの自己組織化を促進します。このとき、私たちの意識的なコントロールをはるかに超えた、生命そのものが持つ叡智と創造性が働き始め、無限の可能性が内包された変容的プロセスが開かれていくのです。
この生命的な創造力が活性化されると、これまで支配的であった恐怖感や無力感、怒りといった感情は、次第におだやかで広がりのある感情へと変化しやすくなります。特定の出来事に対する視野狭窄的な執着から離れ、人生全体を俯瞰的に眺め直すような心的余白が生まれてきます。
こうした根本的な変容を通じて、被支援者は「自分がこれまでとは異なる存在になった」という実感とともに、新しい人生を自ら発見し、創造していく“主人公”としての自己像を確立していくのです。