心理学の条件

心理学は、“こころ”そのものから離れてはなりません。“こころ”を離れて対象化してしまっては、生きた心理学とはなりません。“こころ”を物のように対象論理として扱っては、実在する“こころ”を扱っているといえず、“こころ”を失った心理学となります。

とはいっても、ただ主観的なものを扱うだけでは学としての心理学にはなりません。

“こころ”は、考えるものであり、考えられるものです。“こころ”は、映すものであり、映されるものです。「自己表現において自己を有つもの」(西田幾多郎)と言えるのです。

内的世界に向かって非合理的で主観的なるもの(主体化された自己及び世界)を扱い、外的世界に向かって合理的で客観的なるもの(客体化された自己及び世界)を扱いつつも、主観即客観、客観即主観となるところ、主観と客観の合一と、主観と客観の対立が不二一体となるところに心理学が成立すると考えられるのです。

ホロニカル心理学は、ホロニカル・アプローチの実践を通じて、主観と客観の合一と、主観と客観の対立が不二一体となるところに心理学を構築しようとしています。