外在化
こころの内・外の心的現実を、クライエントとカウンセラー双方に共有可能な形で、面接場面に具体的に顕在化させることが外在化です。
仕草・動作、イメージ、夢、描画、箱庭、小物を使うなど、外在化には色々な方法があります。
心的葛藤がある場合は、相反する両極を外在化すると、相対立する両極性をより上位の観察主体からメタ認知的に観察することが可能となります。
外在化によって、自己の内にあったものが自己の外に自己表現されると、これまでの観察主体と観察対象の関係に新たな関係が創出されます。外在的に自己表現された対象は、新たな観察主体を得て自発自展をしだすことが多くなります。
内在化していた内的世界が、外的世界に外在化されますと、今後は外在化されたものが、再び内界に影響を与えるといった新たな円環的循環ができあがるからです。
ホロニカル・アプローチはできるだけ問題を俯瞰的枠組みの中で対象化することで、問題(生きづらさをもたらしている課題)を共有し、かつ共同研究的協働関係の中で、クライエントのより生き易い道を共に発見・創造していきます。
心理相談とは、心的症状や心的問題に関わる「何か得たいの知れない対象」を外在化することにより、主体から、「得たいの知れない対象」を切り離し、主体にとっては、訳のわからなかったものを、少しでも主体にとって取り扱い可能なものへと変換する作業といえます。
href=”https://kokoro.racoo.co.jp/blog/%e5%87%ba%e7%89%88%e7%89%a9.php”>心理相談室こころ室長 定森恭司著の「ホロニカル・セラピー:内的世界と外的世界を共に扱う総合的アプローチ」(遠見書房,2015)、または、定森恭司・定森露子共著の「ホロニカル・アプローチ:統合的アプローチによる心理・社会的支援」(遠見書房,2019)を参照ください。