ホロニカル心理用語集

ホロニカル心理用語集

ホロニカル心理学は、心的症状や心的問題などの生きづらさを抱える人たちへの心的支援としてホロニカル・アプローチを研究していく中で、これまでの心理学概念のパラダイムから新しいパラダイムへのシフトへの必要性から自然に形成されてきました。
ここでは、ホロニカル心理学やホロニカル・アプローチで用いられる主要概念について説明します。

夢(ドリーム言語)

外我は、自己および世界の理解や関係づくりのために、言語および言語による論理をもっぱら活用します。これに対して、内我は、自己および世界を感じとるために、イメージや表象体系をもっぱら活用します。この時、外我のコトバを第一言語とし、内我のコトバを第二言語とすると、第一言語の通常の言語と区別するため、 ホロニカル心理学では、第二言語のことを、「夢言語(ドリーム言語)」と呼んでいます。

夢言語は、直接体験との密接な関係をもつため、身体感覚などの固有感覚、動作・仕草や情動・感情と深く結びつき、夢に代表されるような表象的イメージや身体言語などが中心となるのが特徴的です。

内我は夢言語を通じて、直接体験を直截的に直覚することが可能となります。

ホロニカル主体(理) によって分別し概念化していく外我の言語活動と異なり、内我の夢言語は、こころの深層において、外我の言語の成立する前、事物がまだ外我によって識別されたりして区別される前、すなわち言葉となる前の感覚をしっかりと内包しています。

外我が言語活動をやめ、かつ内我が夢言語をやめて、自己と世界との出会いの直接体験をそのまま直覚できたならば、その瞬間にホロニカル体験が生起します。

夢言語を媒介とする触れあいが、人と人の間で起きると、連鎖的な共鳴現象が創発され、お互いの情動が猛スピードで伝染するという情動感染現象が生じます。こうして夢言語は、第一言語とは異なる情報伝達能力をもつといえます。

夢言語は身体的な性質をもち、何かと何かをつなげるエロス的機能をもちます。これに対して、第一言語は、物事を細かく因果論的に分解・分析しながら再構成するというロゴス的機能をもちます。

内我の夢言語と結びつきを何らもたない場合の外我は、自己および世界からの現実主体(我) の疎外をもたらします。

※詳しくは、心理相談室こころ室長 定森恭司著書の「ホロニカル・セラピー:内的世界と外的世界を共に扱う総合的アプローチ」(遠見書房,2015)、または、定森恭司・定森露子共著の「ホロニカル・アプローチ:統合的アプローチによる心理・社会的支援」(遠見書房,2019)を参照ください。