救いとは?

自己が、いかに生きるべきかという実存的な問いは、自分は、絶望や自暴自棄の真っ只中にあっても何者かによって包摂されることに値する存在かという究極的なテーマに至ります。

絶対無(空)の“ゆらぎ”から、絶対有のこの宇宙(世界)が創られ、この宇宙(世界)によって創造された自己は、世界との不一致・一致の繰り返しに一喜一憂しながら、自己と世界がより一致する方向を求めて、できるだけ新たな自己および世界を創造しようとしながら生きます。しかしそうした自己もいずれは、自らを創造した世界に呑み込まれ、新たな創造的世界を産み出す構成要素となります。

こうした誰もが死を避けることのできない人生を、一体、どのように受け止めるかによって、救われるか、救われないの分岐点ともなるといえます。