一切合切の場所の矛盾を映し抱え込む場所的自己

(ホーントーラスのモデル)

心的問題、心的症状、精神疾患や精神障害などあらゆる心理社会的問題は、所が抱える一切合切の矛盾を、場所に生きる自己が自己自身にすべて映し取り、自己自身の内に抱え込むことによって生じると考えられます。

人の抱える生きづらさは、本人だけの問題でもなければ、何かの問題に因果論的に原因を帰すことができるような単純なものではないのです。突き詰めていけば、人は誰もが、宇宙開闢以来の多層多次元にわたる矛盾を場所的自己に映し、それを自己内に抱えながら生きているといえるのです。

それ故、生きづらさの問題は、当事者の抱える場所的矛盾を、共にすることを支援者ができる限り、被支援者と支援者関係は、もはや支援関係を超えて、生きづらさを抱えた者同士が、共により生きやすい道を発見・創造するという関係に変容すると考えられるのです。

場所の矛盾を共にせず、あたかも場所の外という安全基地から、場所的矛盾を抱える当事者を支援しようとする支援者は、ただの傍観者でしかないといえます。いかなる支援の場においても、被支援者と支援者が、場所的矛盾を共にしながら、共同研究的協働関係の中から、共に、より生きやすい道を発見・創造していくことが最も重要なことと考えられるのです。ホロニカル・アプローチは、こうしたパラダイムから生まれました。