新しい生き方

みんなのために自己を犠牲にして生きて死ぬのか、私が私自身のために生きて死ぬのか、一体、何のために生きて死ぬのか、こうした問いは、恐らく死ぬまで続くことでしょう。

「我」の意識を忘れ「永遠の今」に感動する気分に瞬間なることがあったとしても、「我」の意識に戻れば忽ちのうちに苦悩の人生を生きることになるものです。苦悩は創造の契機ですが、苦悩がなきところには創造もないともいえます。

そんな矛盾の溢れる人生の中で、最近の心理・社会的支援の現場では、まったく新しい生き方を模索する人が増えています。それは、現代社会のもつ一切合切の矛盾を背負って生きづらさを抱いた多くの人が、「大きな物語のもつ理念・理想の向かって生きる」ことによる信念対立や混乱に疲弊・消耗し、行き詰まり感を抱きだし、もっと意味のある人生を、「今・ここ、今・この瞬間を大切に生きる」ことを痛切に願いだし、「身近な小さな変化から意味のある人生」に向かって歩みだしているということです。