宗教的次元

神とか仏は、直覚によって求められるものであって、科学的に証明できるようなものではありません。また本来、名づけられるようなものではないといえます。

そこで、ホロニカル心理学では、神・仏とは、呼ばないものの、自己意識を超えた働きであり、すべての生成消滅の根源であり、極限の点にいたるまで、すべてに包まれ、極限の球になって、すべてを包み、すべてを総覧し統一する働きを示すものを「IT(それ)」と概念化しています。

人は、信仰の有無に関係なく、自己意識を超えた宗教的次元(超個的次元)に生きていることを忘れがちですが、死に出会うと、その事実を思い知らされます。

「IT(それ)」は存在でなく、直接体験によって実感・自覚するものです。しかし、現実主体(内我や外我)によって、「IT(それ)」を表現し尽くすことも証明することもできないものと考えられます。