「えっ!」

価値観や信念などが微妙に異なる人との出あいで実感する戸惑い・驚き・違和感など、まだ言葉になる前の「えっ!」とか、「あっそうか!」という一瞬・一瞬の直観的感覚が、実は、過去を含み新しい未来を開く、新たな自分を形成していく転機になっている気がします。この時、「あっそうか!」は扱いが比較的簡単ですが、「えっ!」という感覚の扱いが難しいものです。特に、日頃の行き違いに心身共に消耗している人を前にする時には、「えっ!」の表出の仕方にとても神経を使うことになります。現代社会のような加速度的に変動する社会にあっては、あまりに価値の多様化や個性化が急速のため、誰もが、「えっ! えっ! えっ!」が連続するストレスフルな社会に生きているといえます。それだけに、状況やタイミがまずいと、ちょとした仕草や一言に、お互いが想像以上のダメージを受ける時代に入ってきた気がします。

しかし、もしも、この「えっ!」を、お互いが安全かつ安心して表現できる場(上手く言葉で言えなくてもいいので・・・)づくりに成功したならば、お互いの「えっ! えっ! えっ!」が、むしろそれぞれの人にとっては、それぞれに新しい価値や信念を創発する契機になるのではないでしょうか。無論、そのためにも、不一致に耐えられるだけのある程度の心身の余力と、「ゆるく、ほっこりとした」が誰にとっても必要な気がします。