個体と普遍

ホロニカル論は、個体(個物)と普遍の関係を次のように考えます。

各々の個体の中に共通因子として見出せる一般性をもった本質を普遍とする考え方とは、ホロニカル論の普遍の捉え方は異なります。

一般的に個体とは、空間的には有限で、時間的には持続的に存在する実体と思われています。がしかし、実際には、あらゆる個体は、すべて他のすべてとの網目状のネットワークの結節点において生成を繰り返しながらいずれ消滅し普遍となり、再び新たな個体の生成の源となるものといえます。個体は有から無へ、無から有へと絶えず変化しているのです。

生成消滅を繰り返しているものそのものが、普遍であり、実体といえるのです。

また、個体とは、普遍の自己分節による多様な個性的顕れであり、普遍とは、多様化を生み出し、多様性によって表現される絶対的に分割も分節もできないものでもあります。普遍なくしてあらゆる個体は存在せず、あらゆる個体なくして普遍もあり得ないと言えます。