頑固な生きづらさへの対応

児童虐待など、不適切な心理社会的環境に長くさらされ続けた人への支援の中で明らかになってきたことがあります。それは自己と世界の出あい不一致の累積体験は、神経生理学的な水準から人格形成などの水準に至る多層多次元にわたる悪循環パターンを形成し、適切な自己の発達を阻害してしまい、その結果が、頑固な生きづらさをもたらすという現実です。

したがって多層多次元にわたって頑固に形成された生きづらは、もはやひとつのある次元やある層の問題を扱ったりしてきたようなこれまでの対応では限界となります。

こうした頑固な生きづらさを抱えた人たちを支援しようとする人たちにあっては、自分以外の智慧や異なるノウハウをもった人たちとの開かれた対話を通じて、お互いの実践を支えあっていくことができるような長期にわたる支援のネットワーク化が必要となります。