進歩主義の限界

生産性の向上と技術革新による進歩は、果たして私たちに幸せをもたらすことが可能でしょうか。

多くの人は、もはやそうした目標だけでは幸せにならないことには気づきだしているのではないでしょうか。問題は、進歩主義の理想が幻想であったことを知りはじめたとしても、もはやひとりひとりの力だけでは、他の目標を見いだすことはできず、ひたすら加速度的社会という怪物に翻弄されながら生きるしかないことです。こうして、多くの人が、無力となり、進歩主義に飼い慣らされていきます。

進歩を止めれば、地球規模の経済的破綻による恐慌がやってくるとあおられ、その不安・恐怖から救いだしてくれるのは、やはり技術革新であるとの幻想を抱きながら生きるしかないのです。進歩主義的な環境破壊に耐え、病気や人災に遭遇し、根本的に進歩主義の弊害に目覚める機会でもない限り、多くの人が、今の加速度的社会の呪縛から抜け出せなくなってきているのです。