自己と自己超越

自己が適切な自己を自己組織化するということは、「今・この瞬間」の自己を自己自身が否定して過去の自己とし、自己超越的に未来の自己になるということです。

このとき、自己が自己を超越するとは、絶対無(空)が絶対有の一要素として創造した自己自身に還るということです。永遠の絶対無が絶対無自身を自己否定して森羅万象からなる広大・無辺の絶対有(宇宙)を瞬間・瞬間に挙体性起する「今・この一瞬」に立ち戻ることです。

自己と世界不一致・一致の絶え間ない一瞬・一瞬の生死の「今・この時」において、自己は適切な自己を自己組織化しようとしています。自己に対立する世界に対して、自己は自己と世界の一致を求めて自己組織化を繰り返しているのです。自己は、一瞬も止まることなく、生と死の間を、一瞬・一瞬を生きているのです。

このことを実感・自覚することが、「真の自己になる」といわれるものと思われます。「真の自己とは」、自己実現とは異なります。自己が自己自身を生み出しているものが、広大・無辺の時空間であることに目覚めた自己という意味です。