統一・統合の働き

私たちは、“こころ”の内外の出来事に“こころ”が引き裂かれ苦悩します。

このとき、内的世界や外的世界における矛盾・対立を、我(現実主体)によって制御・コントロールし、その統一・統合を図ろうとしても多くの場合限界があります。

もしも“こころ”が臨界状況に陥ったときには、むしろ我(現実主体)による統一・統合への執着を断念し、“こころ”そのものが本来もっているごく自然な統一化・統合化への働きに身を委ねるとよい場合が多いようです。我(現実主体)の意識も、“こころ”の自然な働きと一致する限り落ち着いていきます。臨床心理学は、このあたりのプロセスをもっと学術的に明らかにしていく必要があるように思われます。