苦悩をめぐる社会的言説の影響

苦悩をいかに考えるのか、あるいは所属する社会集団の苦悩に対する一般的な言説はいかなるものなのかは、実は、苦悩を抱える人の生き方に直接的間接的に影響を与えています。

苦悩には、社会文脈的の影響があることに注意を払う必要があるのです。

気分や感情が乱高下する人に対して、双極性気分障害と診断し投薬治療をする必要があると考えるのか、悪い霊の憑依と考えて除霊が必要と考えるのか、ある重大な選択に戸惑っている結果と捉えるかでは、苦悩の捉え方をめぐる根本的なパラダイムの違いがあり、その対応法もまったく異なってくるのが現実なのです。

内的世界と外的世界を共に扱うホロニカル・アプローチでは、苦悩を心理面と社会面側面を含め統合的にとらえていく必要を提唱しています。