二つの自己

自己には二つの顔があります。
一つは、代替不可能なかけがえのない存在としての個的自己です。自他関係も相互独立的な自己です。自己と非自己を区分しようとする自己です。局在的性格を持った自己です。一点に収束しようとする自己です。

もう一つは、他の個的自己と生死を共にする普遍的自己です。自己と非自己の自己超越的一体化を希求する自己です。偏在的性格を持った自己です。無限になろうとする自己です。

この二つの自己は、相矛盾しながら同一にあろうとして相互包摂的かつ相互限定的な関係を形成しながら、自発自転的に自己の自己組織化を図ります。

また自己、他者を含む他のとの関係において無限の差異化を図りつつも、一瞬・一瞬の個的自己のコンストレーションのうちに、普遍的自己を同時炳現(どうじへいげん)的に開顕(かいけん)しています。

個的自己が、他のすべてとの関係を包摂し、普遍的自己となろうとするところに、自己の社会化のプロセスを見て取ることができます。