共通要因

心理療法にまつわる各理論や技法の差異は、観察主体と観察対象の組み合わせの違いと言い換えられますが、そうした組み合わせの差異の大きさの割には、観察主体と観察対象をめぐる変容を促進する要因に関しては、かなりの共通要因があるように実践的直観としてはあります。

そこで、こうした実践的直観の実証的研究として、臨床心理学的研究は各理論や技法の差異の優劣を研究する方向ではなく、むしろ共通要因を明らかにしていく方向に意義を見出すことが大切と思われます。