実在するものは直観的に実感されるものであり、対象として知的に分析的に理解されるものではないと、ホロニカル心理学では考えます。
その意味で、“こころ”は、まさに直観的に了知される実在するものといえます。逆にいえば、知的に分析され、知的に認識された“こころ”は、対象として理解された“こころ”ではあっても、実在する“こころ”そのものではないといえます。
“こころ”は、人間が共有する縁起的な包摂関係。すなわちホロニカル関係の実感・自覚に深く根ざしています。それは単なる分析対象として理解されるものではなく、個と全体の相互作用の中で具体化されるものです。例えるならば、“こころ”は常に変化する森のようであり、そこに住む個々の木々が、それぞれ独自の役割を果たしながらも森全体の調和を保つようなものです。個々の体験が全体に影響を与え、また全体の変化が個々に影響を及ぼすこの循環の中で、“こころ”は本質的な意味を持ち続けると考えられるのです。