初回の大切さ

一人では抱え込むことのできないクライエントの抱える苦悩を共有しようとする支援者は、具体的な出来事を共有するだけではなく、クライエントの耐え難き自己違和感に共鳴的に応答しながら、ひとりで抱え込んできたクライエントの耐え難き自己違和感を少しでも分有していくことが大切になります。

ただし、分有するといっても、自他関係が融合的になり過ぎないことも大切です。

そのためには、クライエントの自己違和感を、小物、描画や、ちょっとした動作で可視化するなどして外在化することをサポートし、外在化された自己違和感を、適切な心的距離を持った共同研究的に俯瞰することのできるような協働関係を構築することが大切になります。

クライエントの抱える自己違和感は、自己と世界との出あい不一致の累積によって形成されていると考えれば、クライエントの不一致に一致していく作業といえます。

こうした共同研究的協働関係がクライエントとの間で樹立し出したら、次には外在化されたクライエントの自己違和感に対する対応策について共創的に探究していくことが可能になります。クライエントと支援者が、外在化された問題に対する具体的対応策を共創的に模索していくわけです。

このようクライエントの抱える苦悩を契機に支援者が共創的俯瞰の立場に立ったことにより共により生きやすい人生を発見・創造していこうとするのがホロニカル・アプローチです。