共同研究的協働(11):傷だらけの被支援者と支援者

月瀬の大杉(長野県根羽村)

自己は場所的自己として一切合切の矛盾を自己自身に映し、自己内に抱え込みます。

このことは心理社会的支援の場における被支援者も同じです。このとき留意すべきことがあります。被支援者は支援者の支援によっても支援者の矛盾を背負い、傷つけられ、支援者もまた被支援によって矛盾を背負い、傷つけられることを避けることができないということです。

支援者は、ブッダでも、キリストでも、菩薩でも、仏でも、神でもないのです。

しかし、被支援者も支援者も共に欠陥だらけで、傷だらけで、他者を傷つけてしまう罪深い存在であることを認め合っていく中で、少しでも生きやすい人生の道を共創的に模索する共同研究的協働関係が成立するといえます。