内我による直覚

ホロニカル・アプローチでは、直接体験内我による直覚を重視しています。

外我の言語を中心とした直接体験を観察対象とした分析と体系化とは異なり、内我は非言語的、感覚運動的で夢言語的なイマージュによって直接体験を感知し統合する働きが中心です。

しかも内我は、情動や感情などの内的な気分を持っています。<そのときどう思ったか?>との質問は、外我が回答の担い手となりますが、<そのとき、どのような気持ちになった?>との質問は、内我が内的体験の回答を担うことになります。

実は人は、どう思ったかについては意識しやすいのですが、どんな気持ちだっかについては、十分に意識していないものです。そこでホロニカル・アプローチでは、非言語的な内的体験の内我による実感の増幅・拡充を促進するために、<そのイライラ感は身体のどこあたりで感じましたか?><今、その話をしているとき、身体はどんな感じになっているようですか?><今拳を固く握り込みましたがどんな気持ちがそうさせた感じですか?>など、感覚運動的、内蔵感覚的、固有感覚的な変化への焦点化や今の気分の色による比喩とか、身体動作による表現の促進などに焦点化し、そうした内的体験の増幅・拡充に務めます。

直接体験に対する内我による実感の増幅・拡充の結果は、何かを考え・判断する前に、何を感じていたかについてのあるがままの直接体験を自己が直覚し、直接体験そのものを自己受容していくことを促進していきます。