今を生きるとは

歴史というものは、「理性」の自己展開のようなものではないと思われます。そうした歴史観は、知的に想像された観念や理想に過ぎません。

歴史は、理性的には自己展開せず、常に感性を含んだ非合理的で非条理なものも含みます。しかも過去の歴史や物語は、いくらでも新しい理性によって書き換えられるものでもあります。したがって歴史に学んで未来を予測することは、ある程度は可能であっても限界があることを念頭においておく必要があります。

こうしたことを踏まえると、私たちは、哲学者の西田幾多郎が指摘するように、「過ぎ去ったものでありながら未だ過ぎ去らない過去」と「未来は未だ来らざるものであるが現在において既に現れている未来」といったように過去と未来が対立する一瞬・一瞬を大切に生きていく姿勢が求められているのではないでしょうか。

ホロニカル心理学では、一瞬・一瞬に注目しています。