スポット法(2)

ある激情に“こころ”を奪われ、視野狭窄的状態になってしまうと、人生の選択肢が狭くなってしまいます。

例えば、「辛い」という気分に圧倒され、「自分はみんなから嫌われている」と思い込んでしまって被害的疎外感に常に“こころ”を奪われている人は、こうした自己照合の視点からいつも生きがちです。

しかし、こうした自己照合を、一旦、脇に置き、「辛い」という気分以外の別の気分が直接体験からわき上がってくるのを待ちます。すると、「寂しい」「何を甘えたことをいっている」など、さまざまな、別の気分や自己照合のシステムが自ずと動きだしてきます。ホロニカル・アプローチの「スポット法」は、そうした“こころ”の特性を生かしたものです。

その上で、異なる自己の断片同士の対話などを求めていくと、ごく自然にこれまでもになかった新しい生き方の選択肢が発見・創造されてきたりします。