内的世界と外的世界の区分をちゃんとつけられるようになっていくことは、適切な自己の発達のためにはとても大切なことです。
しかし、両者の間に一線を引けるようになった上で、両者が一致することを求めることも大切になります。
生きる道の手がかりを求めて内的世界だけに固執してしまうと、内的世界はますます外的世界から遠のき、内的世界への没入状態から外的世界に戻ることがとても困難になります。といって外的世界ばかりに生きる手がかりを求めても空疎な世界しかありません。
外的世界は写真に撮ることのできる可視化可能な世界ですが、内的世界は誰も写真に撮ることのできない不可視の世界といえます。前者は観察主体と観察対象が切り離された観察主体優位な世界ですが、後者は観察主体と観察対象が触れあい自己と世界が一致しやすい世界といえます。