共時的現象

第6段階にまで自己意識が発達(付表 自己意識の発達段階)してくると、内的世界と外的世界における、さまざまな現象の一切合切が、同期し、共振しながら、すべてが、ほぼ共時的に生成消滅していることが実感・自覚できるようになります。しかもこの実感・自覚は、第5段階における超自然現象という感覚ではなく、場所的自己が場所に開かれている限り、ごく当たり前の現象として体感されます。第6段階では、場所的自己における直接体験が、場所の持つ「気配」を、無我となってあるがままに映しとっているのです。

場所は、「場所的こころ」とでもいう集合的無意識のようなものをもっています。しかも、いかなる場所も場(絶対無、空)自身の自己限定である限り、どんな場所も宇宙創生以来の歴史を包摂しながら、常に新しい場所的こころを創り出しているといえます。場所は、たんなる自然や人工の環境ではなく、歴史的文化的なものを包摂しているといえるのです。

だからこそ、場所的自己の直接体験が、場そのものと一致し同期するとき、その一瞬において、場所的自己は、場そのものがより一致する方向に向かって、適切な自己及び世界を自己組織化することができるのです。

 

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