場所的自己(15):一切合切の場所の矛盾を映す自己

自己は、場所の持つ一切合切の矛盾を自己に映し内在化する場所的存在です。認識が実証性的客観性を持つと期待されるのも、場所的自己が場所(自己を含む)を映し、あるがままに実感と自覚ができると考えられるからです。

場所の持つ矛盾とは、あらゆる事象が多層多次元に多様化しながらも多層多次元な世界がそのままで全一性を保っていることです。多即一です。

自己を含む万物は創造的世界の創造的自己表現の一要素として、他の万物と絶え間のない連関のうちに生成消滅を繰り返しているといえます。

世界が世界を世界たらしめているところに真の理(ホロニカル主体)が働いていると考えられます。したがって、外我が知性的に創りだす理(ホロニカル主体)では主観的なものに過ぎず客観性をもつとは思われません。ホロニカル心理学自己意識の発達論でいえば、第5段階でもホロニカル主体の理は文化の影響を排除できず、第6段階に至ってはじめて客観的実証性を持つと考えられます。