自己とは(7):場所的自己

場所的自己は、自己と世界の不一致・一致の繰り返しの直接体験を通じて、無限に新たな自己を自己組織化していきます。今・この瞬間毎に自己組織化された場所的自己は、次の瞬間、過去の自己となって新たな場所的自己に包摂されるのです。こうして自己は同一性を保ちながら新たな自己を自己組織化し続けます。

一見すると、主語となる我(現実主体)が観察対象となる自己を新たに自己組織化する主体のように思われがちですが、それは錯覚です。主語的我(現実主体)の観察対象となる自己は、単なる観察対象ではありません。むしろその逆で、新たな自己を自己組織化する統一の力を持った真の主体です。我(現実主体)は自己があってあるのであり、我(現実主体)があって自己があるのではありません。自己の主体は「我」ではなく「自己自身」です。