東洋思想と西洋思想とホロニカル・アプローチ

仏教は苦悩からの解脱を目的とするのに対して、ホロニカル・アプローチは、苦悩を契機に適切な自己及び世界自己組織化を目的としています。

またホロニカル・アプローチでは、より生きやすくなる人生の発見・創造を目指して、外我と内我の対話を通じて、自己と世界がより一致するホロニカル主体(理)の発見・創造を重視します。しかし自己組織化の方向には、観察主体が無我となったときの自己と世界の一致のホロニカル体験を重視します。

仏教や東洋思想では無我による解脱を重視し、新しい理の創造としての外我の働きには積極的な関心を払ってきませんでした。それに対して、西洋哲学や西洋思想では、外我が内在化するホロニカル主体(理)の発見・創造に心血を注いできたといえます。

ホロニカル・アプローチは、観察主体と観察対象が、観察主体が無我となった瞬間に起きる自己と世界の一致の体験(ホロニカル体験)に関して仏教(東洋思想)の智慧に学び、観察主体と観察対象が対立したときの自己と世界の不一致の体験に関して西洋哲学や西洋思想の智慧に学びます。

そして、そこからホロニカル心理学が誕生しました。