「IT(それ)」(27):自己に包摂され自己を超越する

「IT(それ)」の自己に包摂され、かつ自己を超越的に包摂しています。

こうした「IT(それ)」の働きが「自己の内から自己の外へ」と「自己の外から自己の内」への「無限の対話」を可能としています。

そして、自己の外から自己の内への「IT(それ)」の働きに気づく瞬間が、自己にとってはヌミノース体験となります。

このとき統合失調症におけるヌミノース体験は、我(現実主体)による実感・自覚が脆弱のため「IT(それ)」の働きが幻想的幻聴的な色彩を帯びますが、非統合失調症の人は、現実主体による「IT(それ)」の働きが実感・自覚されています。両者の区別はとても大切です。