ホロニカル心理用語集

ホロニカル心理用語集

ホロニカル心理学は、心的症状や心的問題などの生きづらさを抱える人たちへの心的支援としてホロニカル・アプローチを研究していく中で、これまでの心理学概念のパラダイムから新しいパラダイムへのシフトへの必要性から自然に形成されてきました。
ここでは、ホロニカル心理学やホロニカル・アプローチで用いられる主要概念について説明します。

ホロニカル心理学で用いられる重要概念

1.こころの仕組みを理解する時
に用いられる主な概念
※ホロニカル心理学の心的構造論にあたります。

2.こころのあらわれ方を理解する時
に用いられる主な概念
※ホロニカル心理学の心的現象論にあたります。

3.発達の理解のための概念
※ホロニカル心理学の発達論にあたります。

4.ホロニカル・アプローチで活用される主な概念
※ホロニカル心理学の実戦論にあたります。

5.基礎資料

IT(それ)

「名づけられないも」を名づける矛盾を承知の必要性から、「IT(それ)」と名づけられました。古来、神・仏とか言われるものと同じ類概念です。近代以降は、科学の目になったといえます。

「IT(それ)」と命名した理由は、神・真実在・真理・宇宙・世界などと名を与えると、名を与えた途端、言葉を産み出している文化・歴史の影響を排除しきれなくなるからです。 自己とは、身体的自己である限り命ある有限の存在ですが、トランスパーソナル的な(超個人的)な存在でもあり、そのことを「IT(それ)」との出会いの体験を通じて実感・自覚します。

「IT(それ)」を実感すると、孤独な存在ではないことを実感・自覚します。

観察する主体としての私の意識が強すぎると「IT(それ)」は体感できにくく、むしろ無我・無心の時の方が、観察する主体と観察対象の境界が無境界(ホロニカル体験)となって、すべてを包摂するものとしての「IT(それ)」を体験しやすくなります。

「IT(それ)」は、自己の自己組織化における統覚的統合作用をもち、究極的には、「IT(それ)」の働く根源的な場が、「絶対無」「空」であることへの気づきをもたらしていきます。その瞬間は、IT(それ)=絶対無=空)となりますが、この時には、自己と世界は無境界的になっており、もはや自己も世界も区別もないともいえます。

※詳しくは、心理相談室こころ室長 定森恭司著の「ホロニカル・セラピー:内的世界と外的世界を共に扱う総合的アプローチ」(遠見書房,2015)、または、定森恭司・定森露子共著の「ホロニカル・アプローチ:統合的アプローチによる心理・社会的支援」(遠見書房,2019)を参照ください。