苦悩の医療化問題

生きづらさを抱えた当事者の苦悩に対して、当事者の心身の不調に焦点化し、しかもその不調に対して精神医学的パラダイムによる専門用語によって説明される疾病モデルでもって「疾患」に変換し、治療対象としていくといった苦悩の個人病理化による医療化が進んできています。

特に、この40年あまりで、憂鬱、気分のムラ、不登校、反抗、暴力、非行や発達の凸凹、メンタルヘルスの管理まで、医療による治療対象として期待されるようになってきています。

しかし、このあたりで、もう一度生きづらさの原点に立ち戻り、苦悩を契機に新しい生き方の創造を図っていくような新しいパラダイムへの転換が必要ではないでしょうか。

ホロニカル・アプローチは、これまでの内界中心で「治療」や「癒やし」というパラダイムを脱構築して、生きづらさを契機に対して、内的世界と外的世界を共に扱う心理社会的統合的アプローチの構築を目指しています。