自己とは(13):動的プロセス

自己というものは、生まれては消えていくという存在です。自己は自己以外のすべてと瞬間的に出会いながら、絶えず変化し続ける動的なプロセスとホロニカル心理学では考えています。

自己は自己の力だけでなく、他者との関わりの中で形成されます。自己は一瞬一瞬、自身の物語を紡ぎ出す存在です。これは自己自身だけのものでも、他者だけの力によるものでもありません。

自己は他者との関係の中で形作られるため、他人の物語に対して無関心になることはありません。私たちは同じような立場にある他人の人生の物語に興味を持つのです。

各自己は異なる場所で生きています。異なる社会的な状況や環境の中で生活しているため、それぞれが独自の自己と小さな世界(小さな物語)を形成しています。

そうしたそれぞれの自己を点とすると、点が波紋となって世界に広がり、他の自己や出来事のすべてに影響を与えつつも、また他のすべての点の波紋の影響を受けながら、それぞれ独自の自己と小さな世界(小さな物語)を創りあげあっている関係にあるわけでです。

しかも、それぞれの点が、独自の自己と小さな世界を創りあげあいながら、それぞれの自己と世界の創造が重々無尽の大きな世界(大きな物語:歴史や神話のようなもの)を創りあげているわけです。