心理学の立脚点(2):直接体験の論理化による学問

心理学は、個々の人の直接体験が基盤となり、その直接体験を論理的に構築しようとする試みから成り立つべきです。

直接体験を対象化した論理は、「“こころ”の現象を対象化した心の科学」にはなり得ても、“こころ”の直接性を扱った心理学にはなりません。

誰もが主観から離れて、“こころ”の現象そのものを客観的に言及することはできず、心理学の客観性は、主観性を考慮に入れて追求されなければならないと言えます。

心理学の客観性は、主観的な影響を最小限に抑え、直接体験そのものを率直に実感・自覚することによって成り立ちます。直接体験そのものとは、主体と客体が一体となる瞬間のことを指します。

ホロニカル心理学は、直接体験から遠ざかりつつある従来の心理学を、再び直接体験に基づいて構築しようと努めています。