「気づく」とは

「『気づく』とは、存在に対する新しい意味づけの生起である。一瞬の光に照らされて、今まで意識されていなかった存在の一側面が開顕し、それに対する主体の側に詩が生れる。」とは、井筒俊彦の言葉です。

もともと隠れていた存在の本質に、意識が主客の区分なく直観的に触れることが「気づき」という指摘です。

ホロニカル心理学実感・自覚観察主体が観察対象について何かを客観的に発見することではなく、直接体験の持つミクロからマクロにわたる一切合切の現象に関する新しい意味連関の結晶化を意味し、井筒の指摘する「気づき」とほぼ同じ捉え方といえます。

〈参考文献〉
井筒俊彦著.読むと書く.井筒俊彦エッセイ集,慶應義塾大学出版会、2009年年,p434.