外在化(5):外在化のもつ意味

ドツボにはまったクライエントの外在化

自己と世界の出あい不一致に伴う自己違和感の外在化の方法は無限にあります。小物を使った方法、描画、身体的表現、音化、箱庭、身体的違和感への焦点化、自己違和感のイメージの明確化・増幅拡充など、いくらでも考えられます。ホロニカル・アプローチの外在化も被支援者と支援者の問題の可視化・共有化の目的が原点にあります。

被支援者の多くは、自己ととの間の独白的で内閉的な対話の悪循環のドツボの中にはまり込んでいます。外在化は、そうした閉じた対話を支援者との開かれた対話に変容させていくことを可能とします。

外在化は、被支援者と支援者の開かれた対話を可能とし、外在化された問題を挟んで共同研究的に協働する関係を自ずと構築します。そしてやがて共同研究的協働の関係の被支援者自身の“こころ”への内在化が、被支援者の観察主体にとって代わる、新しい生き方の発見や創造を可能とする適切な観察主体の形成を促進していきます。