創造的思考の役割と重要性

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独善的で独白的な語りをする人々は、社会的に閉じた狭い体験世界だけからの思い込みで語る傾向があります。これを克服し、語りが社会に開かれたものにするためには、体験世界の拡充・拡大とともに、ホロニカル心理学が提唱する外我の関与が必要となります。外我は、所属する既存の理の枠組みを内在化し、それを通じて体験世界を解釈しているからです。

体験世界は常に変化し、具象的で生々しいものです。その全てを言葉で語り尽くすことは不可能です。そのため、直接の体験を他人と共有するためには、所属する社会が物事の本質をどのように識別し解釈するかの基本的枠組みが必要となります。このとき、物事の識別や解釈の基準にあたる理を、ホロニカル心理学ではホロニカル主体と概念化しています。

人々が共有する言語は、ホロニカル主体(理)によって所属社会固有の言語体系を形成しています。人々は、共有可能な言語体系のおかげで、それぞれの体験世界について語り合うことが可能になります。ホロニカル主体(理)の関与する言語により、具象的な出来事の意味が明らかになり、共有可能な意味についての相互理解が可能になります。

しかし、既存の理(既知のホロニカル主体)が体験世界の意味や本質を的確に捉えているとは限りません。直接に体験している世界を直覚を、より的確に表現するためには、直接体験の直覚の担い手である内我との協働的な対話軸をもった外我が、新しいホロニカル主体(理)を創発し続けていく必要があります。

ホロニカル心理学では、新しい理(ホロニカル主体)を自ら創発する力を持つ外我を自律的外的現実主体と呼び、その前段階の外我は既知の理(ホロニカル主体)を内在化した他律的外的現実主体と区別しています。

創造的思考とは、新しい価値を創発する能力であり、そのためには自律的外的現実主体レベルの自己意識の発達が必要になると考えられるのです。