お互いに理解し合えていなかったことが、ふと理解し合えた瞬間、それを共感と呼べるでしょう。私たちはそれぞれ異なる存在として生きています。だからこそ、理解し合おうとする関係を築くことが重要です。理解しようと努めることは大切ですが、同時に、理解できていないことを自覚することも重要です。安易に「分かったつもり」になることは危険です。
その意味で、相手に共感しようとする行為が、安易に理解してもらえるという幻想的期待を必要以上に抱かせないように配慮することが重要です。
共感は創発されるものであり、意図的に共感しようとするものではありません。
過度な共感は、自他関係の独立性・自律性を失わせ、融合的一体感を生む可能性があります。そして、その融合的な心地よさに慣れると、他者との些細な不一致に対して過度に怒りや絶望を感じやすくなります。
心理社会的支援においては、被支援者が他者との不一致に耐えつつ、やがて一致していく可能性を信じる関係を築くことが重要です。