適切な自己と世界の自己組織化のプロセス

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ホロニカル心理学やホロニカル・アプローチに関連する理論には、「自己は、自己と世界の出あいの不一致・一致の繰り返しの中で、安全で安心できるさえ得ることができれば、自ずと自己と世界の出あいが一致する方向に向かい、適切な自己と世界を自己組織化する」という概念が存在します。この言葉は、直感的に理解できる人もいる一方で、難解に感じる人も少なくありません。本稿では、この考え方をより詳細に解説します。

<自己と世界の出あいが一致するとは>
自己と世界の出あいが一致するとは、何を意味するのでしょうか。この概念は、知的な理解にとらわれず、直感的に捉えることが求められます。自己と世界の間に障壁がなくなる現象を指し、自己と世界の関係が無境界となる状態です。無境界とは、自己が自己としての存在を意識せず、“こころ”が無心の状態となることを意味します。この状態では、判断や思考を超えて、すべてをそのまま受け入れることが可能になります。つまり、観察する「我」と観察される「対象」が一体化する境地です。

この体験は、単なる知的な理解を超えたものであり、自己の中に世界全体が包摂され、同時に世界の中に自己が包摂される状態に至ります。この瞬間、自己と世界は相即相入のホロニカル関係にあるといえます。

<不一致が自ずと一致に向かうプロセス>
次に、「不一致が自ずと一致に向かう」とはどういうことでしょうか。この概念は、ABCモデルにおける自己と世界の不一致(A点)から、自己と世界の一致(B点)への移行を指します。この移行の途上では、自己と世界がホロニカルな関係を築けていない状態にあります。そのため、自己には自己違和感が常に伴います。しかし、ホロニカルな観点では、A点の中にもB点が内包されており、たとえ自己と世界が不一致であるように見えても、その内部には一致の可能性が含まれています。

ホロニカル・アプローチでは、A点の中に存在するB点を強調し、B点の増幅や拡充を図ることで、自己と世界の出会いの不一致が一致の方向に向かうよう支援します。支援者は、A点に固執せず、B点を意識的に引き出すことで、適切な自己と世界の自己組織化を促進します。重要なのは、支援者がA点に埋没せず、適切な距離を持ってA点を観察する姿勢です。これにより、被支援者はA点を超え、自己と世界の適切な関係が自己組織化されるプロセスへと導かれます。

<現代社会における自己と世界の対立とホロニカル・アプローチの役割>
現代社会では、多くの人々が自己意識の発達に伴い、自己を身体的な存在として認識し、それ以外の存在を「非自己」として区別します。この過程で、他者や集団、国家などが「世界」として認識されるようになり、自己と世界の対立関係が生じてきました。ホロニカル・アプローチは、この対立関係の変容を目的とし、自己と世界のホロニカル関係の促進を図ります。つまり、自己と他者、自己と集団、さらには自己とすべての非自己化された世界との関係をいかにホロニカルに変容させるかが重要な課題となります。

<ホロニカル関係と適切な自己組織化>
ホロニカル関係とは、ミクロからマクロにわたるあらゆる現象において、部分が全体を包摂し、全体が部分を包摂するという縁起的な包摂関係を指します。Aの中にB、C、Dをホロニカルに包摂しながら適切な自己を自己組織化し、Bもまたその中にA、C、Dを包摂しながら自己組織化します。このようにして、AとBがホロニカルに結びつき、最終的に適切な自己組織化が達成されます。

自己と世界の不一致が解消され、ホロニカルな関係が構築されることで、適切な自己組織化が可能となります。逆に、この関係が築けなければ、自己と世界の自己組織化はうまくいかず、さまざまな障害や問題が生じることになります。