自己組織化(4):自己と世界の不一致・一致のせめぎあい

フラクタル

適切な自己は、自己と世界の不一致・一致の繰り返しの中で、自ずと自己と世界が一致する方向に向かって、自己及び世界を自己組織化するとホロニカル心理学が語るとき、自己と世界の不一致が無くなるということを意味しているわけではありません。

むしろ自己と世界が不一致の関係にあることをあるがままに自己受容することができた時、そうした観照的観察態度の確立が、自己と世界が一致する無境界的体験(ホロニカル体験)を引き寄せ易くし、たとえ一度でもホロニカル体験を観照者が実感・自覚すると、その後は自ずと自己は自己と世界の一致を希求しやすくなると指摘しているのです。

自己と世界の不一致・一致の直接体験は、自己が簡単に自己コントロールできるようなものではありません。自己と世界の不一致・一致によって、私たちは突き動かされているのであって、私たちが直接体験を意図的意識的に所有しているわけではないからです。

私たちは、私たちを超えた働きによって生かされているといえるのです。自己組織化もそうした自己と世界のせめぎ合いの中で自ずと生じている現象といえるのです。