語りの代弁の限界と当事者参加の大切さ

心理社会的支援のでは、たとえ当事者の同意を得たとしても、当事者不在のまま支援者が他の関係者に当事者の言葉を代弁することは、実際には、とても困難な作業となります。語りというものは、一般化したり客観化することがとても難しいからです。語りの代弁には限界があることを常に理解しておく必要があります。

特に、ケース検討では、当事者がその場に参加しているかどうかによって、まったく関係者の語りの態度や語りの内容や決定事項までが、大きく変化してしまうことにも留意する必要があります。もしも当事者が不在の場合には、あたかもそこに当事者が、同席しているかのように関係者が振る舞うことが心理社会的支援では大切といえます。

できれば当事者とともに、問題を外在化し、外在化された問題について関係者一堂がワイワイガヤガヤと共同研究ができるような場を構築することが望まれるのです。