外我と内我(5):外我と内我の言語の差異

矛と盾

自己直接体験を対象化し、できるだけ客観的に記述しようとする時には外我が働きます。この時、記述する論理の基準には、外我が内在しているホロニカル主体(理)が関与しています。そのため同じホロニカル主体(理)の論理内では検証可能性を持ちます。このように外我は言語によって識別された外的世界を構成しています。

それに対して、自己が直接体験の経験そのものを語ろうとする時には内我が働きます。内我の語りはイメージ的、幻想的になります。語りの内容は自己表現的、主観的であり、他者との語りと内容が相似的で共鳴的な場合には了解可能性を持ちますが、外我の記述言語のような検証可能な一般性は持ちあわせていません。内我の言語(夢言語的)は、内的世界を構成します。

我(現実主体)の意識は、外我の言語と内我の言語の二つがせめぎ合うところに生起すると考えられます。