欲動

何かをしたいという、その人の中から湧いてくるものを総称して「欲動」と言われます。食欲・性欲・睡眠・排泄といった身体的欲動ばかりでなく、権力欲・名誉欲・金銭欲などの精神的欲動を含む場合もあります。フロイトは、晩年、生の本能と死の本能についても欲動論的に論じたとされています。

ホロニカル心理学では、欲動を世界に閉じたその人の自己の底から湧いてくるものというより、自己と世界との不一致・一致という関係性の中から湧いてくるものと捉え直しています。

いかなる欲動が起きるかは、世界に閉じた自己の底からではなく、自己のおいてある場所と自己のせめぎ合いのうちから湧いてくると考えているわけです。

欲動とは、自己と世界の不一致・一致の出会いにあって自己が適切な自己を自己組織化するための生命エネルギーといえます。