「IT(それ)」(14):無限の分節作用

IT(それ)」は、井筒俊彦の「コトバ」を借りて記述し直すならば、無限の分節であり、無分節の理といえます。それに対して、ホロニカル主体は、「IT」の分節の理といえます。ホロニカル主体同士は、同じ無分節の「IT」として、相互に透入しあっているのです。ホロニカル主体によって分節される一切合切は、縁起的包摂関係(ホロニカル関係)を持ちながら融通無礙に繋がりあっているのです。

絶対的な無分節が自己分節しながら、無限の重々無尽の世界が一方では創造されているのです。重々無尽の世界が瞬間・瞬間創造されながらも、すべてがその瞬間・瞬間において、すべて否定され、無化・空化されて絶対的無分節の次元となり、かつ絶対的無分別が瞬時にして、非連続的に連続しながら、次元が再び転換し、無限の重々無尽に自己分節するのです。

ホロニカル心理学が、自己と世界の不一致・一致の行ったり・来たりのうちに自己と世界の一致に向かって自己と世界を自己組織化するとは、重々無尽の自己分節と絶対的無分別の不断の行ったり・来たりによる創造を意味するといえます。