心的危機

自己が、ある文化にどっぷり浸かっているとき、突然、まったく価値観の異なる新しい文化に遭遇してしまうと、生きる規準が混乱し心的危機状態に陥ります。

しかし、こうした心的危機に際しても、異質的なるものをしっかりと血肉化できれば、これまでの文化に慣れ親しんでいた自己に代わって、新しい価値をもった自己を脱構築的に自己組織化することができます。

このとき古い自己から新しい自己の移行期には、一種の変性意識状態に陥りることがありますが、新しい価値がより生きやすい人生の道の発見・創造につながる限り、いずれ、より大きな器となった自己を自己自身の無底の底から創発することができます。

こうした変容は、意識の表層レベルでの文化の差異を表面的に理解していた時期と比較すると、深層レベルからのパラダイムシフトを可能とした自己への変容となります。

ホロニカルアプローチは、苦悩や心的危機を契機にして、こうした自己意識の発達を促進します。