自己意識の発達が第5段階以降では、観察主体の意識が個レベルから超個のレベルに移行していきます。
この移行は、自己と世界の一致のホロニカル体験の気づきの支援者による増幅・拡充や、被支援者の自己と世界の不一致の問題の外在化と、外在化された問題の支援者による共有化、並びに、自己と世界の不一致と一致の矛盾の被支援者と支援者の共同研究的協働による自己受容の促進といった技法的な要素もありますが、それ以上に、支援者自身の姿勢そのものが、第5段階から第6段階への移行を促進する最大の要因だと考えられます。
姿勢とは、支援者自身がホロニカル体験のもつ自己超越的作用をどこまで実感・自覚しているかということです。自己と世界の一致のホロニカル体験と自己と世界の不一致の自己違和的体験の行ったり・来たりが、自己の個的存在から超個的存在への移行を自ずと促進することを、どれだけ支援者自身が実感・自覚しているかが、被支援者の変容にもっとも影響を与えると考えられます。