ホロニカル心理学:新たな理解のパラダイム

AIで作成

複雑なものを包括的かつ統合的に理解するためには、新しいパラダイムが重要です。複雑なものは同じ現象でも、観察主体と観察対象との組み合わせが異なれば、異なる結果になることに注意する必要があります。

特に対人支援の現場では、従来の因果論的なパラダイムでは、異なる立場や信念の対立が生じる可能性があります。

例えば、不登校状態にあるAさんに対して、子どもの真面目さが問題と見立てる人がたり、いじめが問題と見立てる人がいたり、担任の対応が問題と見立てる人がいたり、家族に問題があると見立てる人がいたり、学校にいかねばならないという社会の学校神話が問題と見立てる人がいたり、うつ病の問題と見立てる人がいるなど、見立てが錯綜するのが対人支援現場の実態です。同じ現象に対しても、さまざまな人がさまざまな観点から問題に注目することで、さまざまな見解が乱立し混乱しているのが対人支援の現場なのです。

こうした乱立の見立てによる混乱の壁を乗り越えるためには、錯綜する見立てをさらに包括的かつ統合的観点から共創的対話を可能とする新たなパラダイムの構築が必要になります。

ホロニカル心理学は、まさにこうした混乱する支援現場の実態から、「観察主体と観察対象の関係自体を俯瞰的に捉える」という新しいパラダイムとして創発されました。

ホロニカル心理学では、「安全で安心できる場」で、「自由無礙の俯瞰」によって、「観察主体と観察対象の組み合わせの差異から生まれる多層多次元な現象」をできるだけ包括かつ統合的に理解しようとします。また、そのためには「被支援者自身が多層多次元になる現象を統合的包括的に俯瞰することのできる適切な観察主体を確立する」ことが重要と考えています。

ホロニカル心理学のパラダイムは、複雑性の科学や東洋思想の縁起論、テトラレンマの論理などとも親和性が高いことが明らかになりはじめています。