自己矛盾

私が私自身のことを内省したり、洞察したり、分析したり、理解しようとするとき、私という観察主体()が私自身(自己)を観察対象として内省したり、洞察したり、分析したり、理解しようとしたといえます。

ホロニカル心理学の用語で記述すれば、観察主体は、我(現実主体)であり、観察対象は自己ということになります。しかし、このとき、観察主体である私(我=現実主体)は、観察対象としての自己の外にあるわけではありません。

観察主体である私(我=現実主体)は、自己を観察対象としながらも、一方では、観察対象である筈の自己に含まれます。ここに自己をめぐる自己矛盾があります。

自己自身を認識しようとするもの、自己自身を了解しようとするものが自己でもあるのです。しかし、まさに私たちが実感・自覚する自己とは、こうした自己矛盾を抱えた存在といえます。