シンクロニシティ

ホロニカル心理学がいうホロニカル体験時には、複数の出来事が非因果的に同時に起きるます。ユングが提唱し、「共時性」と和訳される「シンクロニシティ」です。

ホロニカル体験時には、森羅万象が、縁起的包摂関係的に瞬間・瞬間に同時に現成する世界として体感されています。

しかし、我の意識が無となって、自己と世界の出あい一致した瞬間にしか、自己には「シンクロニシティ」は体感できません。の意識が働いた自己が観察主体となって森羅万象を観察対象にした途端、「シンクロニシティ」は破れ、ホロニカル体験は消え去ります。

このことからすれば、私たち人間は、ほとんどのときを我の意識で活動していますから、「シンクロニシティ」を忘れて生きているといえます。

ホロニカル体験時の「シンクロニシティ」においては、自己は世界に溶け込み、世界は自己に溶け込みあいながらも、自己も世界も同時にあります。内的世界と外的世界の区分は、相互に越境的関係になり、内的世界は外的世界に、外的世界は内的世界になります。

ホロニカル体験では、すべてがシンクロニシティにあることへの覚醒によって、存在や生きる意味などが、一瞬にして実感・自覚されますが、修行でも積まない限り、一瞬にして忘れられてしまいます。

適切な自己意識の発達は、すべてがシンクロニシティにあることへの実感・自覚の深化に向かっていくといえます