自己の双面性

創造的世界から創造された創造的一要素(西田,1938)としての自己は、双面的特性を有しています。

一面は、自己と世界の関係が合一し無境界となって一致するような超個的特性を示します。もう一面は、自己と世界の関係が矛盾・対立し不一致となり、自己が個としての特性を示します。

自己は超個的特性と個的特性という相反する特性を合わせ持っています。

こうした自己と世界の不一致・一致の出あいの直接体験の一切合切を映す場所が、ホロニカル心理学が考える“こころ”といえます。

 

参考文献:西田幾多郎(1938).人間的存在 .in:西田幾多郎全集第9巻,1949.岩波書店,p9.