自己と我(現実主体)

自己(身心一如の自己)を世界(他者を含む)から閉じた存在と考え、我(現実主体)が身体的自己を絶えず制御・コントロールしながら生きようとする生き方があります。それに対して、自己は世界に開かれた存在と考え、自己からのメッセージを受け取りながら生きる生き方があります。この両者の違いは、生き方の大きな差異となります。

前者の生き方は、自己外の対象と絶えず緊張・対立を招き、その身体的自己は常にこわばり緩むことがありません。それに対して後者の生き方は、自己は世界との出会い不一致・一致直接体験に開かれており、身体的自己は緊張と弛緩のほどよいバランスに生きており、自己と世界の出会いが不一致となるときには緊張し自己外との関係も対立するものの、一致するときには身体的自己は緩み世界に開かれ、時々刻々、新しい自己と世界を自己組織化していくことに価値を置く創造的な生き方になります。

「我と自己」「我と身体」「自己と世界」「観察主体と観察対象」「主観と客観」との関係は自己相似的パターンを形成していることがホロニカルアプローチを通じて明らかになってきており、明かに後者の生き方の方が、より適切な自己と世界の自己組織化を自発自展させる事実を毎日目撃しています。